日本が生んだ最も独創的で個性的な研究者、西江雅之の展覧会デザインと出版プロデュースの成果。
「私にとって人間は目の前に見える景色なのではなくて、すぐそばに生きているのだ。」
約半世紀にわたり、人間の文化と言語を追い続けてきた西江の足跡は、アフリカ、アラビア、インド洋海域、カリブ海域、パプアニューギニアなどに及んでいます。西江の眼がレンズを通して描き出す世界は、旅人や写真家のものとは本質的に異なっています。その写真に映し出されているのは、人間としての西江と関わってきた親しい友や隣人たちの姿であり、思い出の場所。同時に、数万点に及ぶその膨大な写真には、研究者としての西江の眼が息づいており、すでに失われた、あるいは急速に失われつつある人間の文化の記録としても高い価値がああるものです。
展覧会は、西江雅之による初の大規模な写真展であり、一方、書籍は、各写真に呼応する文章を再録することで、写真と言葉が補完しあうような構成にしました。「自分の皮膚の外はみな異郷である」という西江が活写した約200点の写真と、映像および関連資料を通し、驚きに満ちた異郷の世界に、多くの人が足を踏み入れて下さることを期待します。
Exhibition “IKYO -Masayuki Nishie”
2012
Planning+Produce: Takasuke Onishi
AD+D: Takasuke Onishi
D: Yuji Nojyo
Cooperation: Nahoko Kahara、KEN
PH: Satoshi Nagare
CL: Seikatsu-koubou